前回の記事「絵の上達法。絵は「線」ではなく「面」で捉えて立体的に描け」

 

前回、前々回にひき続き、今回も絵の上達法みたいなのを説明していきます。

いきなりこの記事を開いた方は、前々回の記事から読んでもらえると内容が理解しやすいかと思います。

 

前々回「なぜ絵が上手い人は上手く描けるのか?下手な人は描けないのか?」

 

まずは下手でもいいから模写を

 

前々回の記事で、「絵が上手い人は脳の深い部分の「潜在意識」に、描こうとするものの姿、形が記憶されているから」だと言いました。

では、どうすれば脳の中にものの姿や形を記憶できるのかというと、それはもう「描くこと」ですね。

「見る」だけでは、「映像記憶」という特殊な記憶法ができる人以外、ボヤ~っとしたものでしか記憶できないと思います。

 

世の中に存在するもの・・・人間や車など、実際に存在するものの姿、形を正確に記憶させるためには「模写」をすることが一番有効でしょう。

自分が正確に素早く描けるようになりたいものを模写し続けるのです。

そうすることで、そのものの姿、形が脳の深い「潜在意識」というところに記憶されていきます。

 

しかし、記憶させるためには相当の数の模写をこなさなければなりません。

1回や2回描いたくらいでは、そう変わらないでしょう。

だから挫折する人が多いです。

描いてもちっとも上手くならないし、何より自分の下手な絵を毎回毎回目の当たりにしないといけないため、長続きしない人が多いんです。

模写が上達するコツは、描こうとするものをしっかりと見て、とらえて、似せる努力をして描くことです。

なぜ似せる努力をすると模写の上達が早いかは後で説明しますが、最初はどんなに頑張っても上手くは描けません。

なので最初は「模写を続けられる方法」を探しましょう。

自分なりに模写をしてても、そこまで苦痛じゃない方法です。

 

音楽聴きながらでもいいですし、ラジオを聴きながらでもいいです。

私なんかYouTubeでお気に入りの配信者の動画をラジオのように聴きながら描いてましたよ。

今でもそうです。

そうじゃないと続かないんです。

 

もちろん無音の方が絵と向き合えるので、無音でできる人は無音でやってください。

無理な人は何かしながらでもいいので、自分なりの続けられる方法を探しましょう。

 

ただ・・・テレビや映画をチラチラ見ながらの模写というのは・・・やってもいいですが、上達は非常に遅くなると思います。

私の兄がそのやり方でやってましたが、上達の速度は速いとはいえませんでしたね。

なぜ遅くなるのかというと、あなたの目は、模写の対象物を見て脳に学習させようとしているのに、その都度視線をテレビに向けていると、テレビの映像と模写の対象物の姿、形が脳の中でゴッチャになってしまうんです。

「紙に描く」ということで、脳に記憶させるものを選別してはくれますが、それでもやっぱり上達速度は遅くなります。

 

理想は、模写の対象物と、自分が今描いてる絵から、なるべく意識を離さずに描き続けることです。

視線もなるべく離さないことです。

 

私なんか昔はゲームしながらやってましたよ。

「桃鉄」とか「ドカポン」とかのテレビゲームをしながらやってました。

友人やCPU(コンピューター)のターン中は模写を進めて、私のターンになったらコントローラー握ってゲームする。

ターン終了したらまた模写を・・・。

上達は・・・非常に遅かったですよ。

 

だって面白くなかったんだもん。模写。

 




 

いい加減な模写では上達は止まる

 

脳はダラダラとしながらでも、繰り返し続けるものは記憶してくれます。

皆さんも「九九」を覚えるときに「いんいちがいち~(1×1)いんにがに~(1×2)」とか、ダラダラと復唱してても頭の中にいつの間にか入ってましたよね?

そんな感じでゲームしながらでも一応、上達はしました。

しかし、ある一定のレベルに達したら上達は止まりました。

何時間も何時間もやり続けても上達はしませんでした。

これは私の経験談ですが、なぜ上達しなくなったかというと、私が絵を似せて描く努力をしなくなったからです。

ある一定のレベルに達したら満足してしまって、それ以上似せて描く努力をしなくなったため、模写の対象物をよく見て描かなくなったんです。

模写をしようとする対象物をチラッと見て、サッサと描いて、またチラッと見て、またサッサと描いて・・・そんないい加減な感じで、一つの絵に1時間もかけない模写を量産し続けてたんです。

 

模写が上手い人は、コピー機を使ったように鮮明に、正確に模写する人もいます。

そのレベルに到達しろとは言いませんが、そのレベルに近づく努力をして、模写の対象物をよく観察して、少しでも似せて描く努力をしなければ、あなたの脳は描こうとしている対象物を鮮明に記憶する努力をやめてしまいます。

そうなったら中途半端にボヤ~っとした姿、形のままで記憶して満足してしまいます。

 

正確に鮮明に描けるということは、正確に鮮明に記憶しているということです。

正確に鮮明に描けないということは、細かい部分をボヤけた姿で記憶しているということです。

 

あなたがもし、正確に鮮明にものを描きたいというのなら、似せて描く努力をやめてはいけません。

対象物をしっかりと見て、模写を少しでも似せて描く努力をし続けるのです。

「もうこれ以上似せて描けなくてもいいや」と思ったのなら、描いたことない構図を描いてみるとか、描くもののジャンルを変えることです。(人物→車とか、車→バイクとか)

 

似せて描く努力をやめてしまったらもう、それ以上は何年続けても上達はしないからです。

それは私が嫌というほど体験しました。

 

私は人体ばーっかり描いてましたから、人体しか上手く模写できません。

背景とか、家具とか、小物とか描くのは大っ嫌いでしたので、それらは全っ然描いてませんでした。

だから私は漫画を描く際に(私は漫画家を目指していた)人物しか描けません。

背景はひどいものです。

家具も・・・お皿すら上手く描けません。

なので今、非常に後悔しています。

もっと幅広いジャンルを描いて、背景や家具、小物などの姿、形や風景を脳に刻み込んでおけばよかったと。

 

物の形には法則性がある

 

ここでちょっとだけ補足します。

さっきから「脳に記憶されてるから上手く描ける」と言ってますが、いろんなジャンルのものを描き続けてる人は、初めて描く物でも上手く描けるようになります。

それは「物の形には一定の法則性があるから」です。

 

壁、板、本は同じく「平(たいら)」です。

 

 

桃とか、リンゴとか、ボールとかは「球体」に近い形です。

 

 

他にも「円柱」「似たようななだらかな形」など、ジャンルは違えど、物の姿、形には部分部分で似てるところが多々あります。

 

 

何度も描いたような形は脳が記憶してるので、似たような形のものを描く際は、脳がうまいこと補正してくれます。

だから描いたことないジャンルの物でも描けたりするようになります。

そのために活きてくるのがデッサンの基礎の「球体、円柱、箱型」などを描くことです。

 

 

デッサンの基礎を学んでおくと、後で絶対活きてきますよ。(私はまだ全然下手だけど)

 

 

イメージで絵を描くためには・・・

 

模写はものの姿、形を脳に刻み込む作業だと言いましたが、模写ばーっかりやってた人が、いきなり漫画やアニメなどを自分で描こうとしても上手くは描けないでしょう。

人物を模写だけずーっとやってきた人が、いざ自分で構図や人体のポーズを考えて絵を描こうとしても上手くは描けないはずです。

「あれ・・・? 人間の形ってどんなだったっけ? 横顔ってどうやって描いてたっけ? 手は? 足は?」

さんざん描いてたのに、模写ばっかりやってきた人はこのように描けないはずです。

描いてきたものの形や特徴が思い出せないはずです。

 

でもそれは当たり前のことなので、そんなに戸惑わないでください。

 

模写というのは脳に姿、形を「入れる(記憶させる)」作業といえます。

自分でイメージして描く作業は脳から「出す(思い出す、創り出す)」作業といえるでしょう。

人間は脳に入れた言葉や光景を簡単に思い出せるわけではありません。

 

記憶したものを使いこなすには「インプット(脳に入れる)」「アウトプット(脳から出す)」が必要です。

これをし続けることではじめて、記憶したものが使いこなせるようになります。

 

 

例えば・・・あなたが今まで料理をまったくやったことがなかったとして、そんなあなたが料理教室に通ったとします。

包丁も満足に扱えません。

フライパンに油をひいたことすらありません。

そんなあなたが料理教室で料理を体験しました。

料理教室の先生は「では、最初はあなたにカレーを作ってもらいます。」と、カレーを作る準備をしてくれました。

カレーなんか作ったことないあなたは戸惑いますが、そこはどういうふうに作ればいいか、先生が一つ一つちゃんと指示してくれます。

 

「まず、野菜を切りましょー」

「玉ねぎは皮をむいてくださーい」

「たて半分に切ってくださーい」

 

先生は親切に細かく教えてくれます。

あなたはぎこちないながらも、なんとかそれっぽいカレーが出来ました。

 

「では、次はパスタを作りましょー」

先生はパスタのつくり方も親切に教えてくれました。

あなたはぎこちないながらも、なんとかそれっぽいパスタが出来ました。

 

「では、次はチャーハンを作りましょー」

先生は(以下略・・・。)

 

その三食を作って今日はおしまい。

 

次の日は「肉じゃが」「餃子」「スパゲッティ」を作りました。

また次の日は「ラーメン」「プリン」「コーンスープ」を作りました。

3日かけて計9食も作りました。

ここで先生は言います。

 

「では次は、パスタを自分で作ってみてくださーい」

 

 

・・・え? 自分で・・・?

 

今度は先生は指示しません。

自分で作るのです。

 

 

えーっと・・・まず何がいるんだっけ?

鍋だっけ?

水はどれくらい入れるんだっけ?

パスタは・・・いつゆでるんだっけ?

何分ゆでるんだっけ?

ってゆーか・・・パスタの麺ってどうやって作ったっけ?

何日目に作ったんだっけ?

 

ここではじめて作り方をアレコレ思い出そうとするでしょう。

 

これがアウトプットです。

 

料理を教えられながら作る・・・これがインプット(記憶)

作り方の手順を思い出す・・・これがアウトプット(実施)

 

つまり、習った作り方を思い出し、実際に作ってみるというアウトプットを試みることで、はじめて料理の作り方を覚えはじめたと言えるのです。

 

模写とは、そこにある対象物をその通りに描く行為です。

料理だと、先生にアレコレ指示されながら、先生の言うとおりに動いて作った行為と言えるでしょう。

 

作り方(描き方)を脳に入れた。

それを本当に自分の力で作れる(描ける)ようになるためには、思い出し、実際に自分で作ってみる(描いてみる)ことが重要なのです。

 

先生のマリオネット(操り人形)のように作りつづけてる人が、いざ自分で料理を作ってみろと言われたらなかなか作れないのは当然です。

作り方を思い出し、それをやってみたことがないからです。

模写もそうです。

 

そこにあるものをその通りに描き続けてた人が、いざ自分でイメージして描けないのは当然のことなのです。

絵でも、何でも、アウトプットが必要であり重要なのです。

 

 

アウトプットをしなくても脳にはちゃんと入ってる

 

では、アウトプットしなかったら描いててもまったく意味がないかというと、そうではありません。

絵がスラスラと模写できるようになったということは、そのものの姿、形が脳に記憶されたということです。

記憶されていないものは描けません。

模写をし続けると、ものを「見る」能力が高まるので、いきなり描けちゃうものも出てはきます。

しかし、スラスラとは描けないはずです。

スラスラと描けるものは、脳の潜在意識に記憶されてるものだけです。

あなたが模写だけでもできるということは、ちゃんと潜在意識に描けるものの姿、形が入ってるということです。

潜在意識に記憶されたものは、ちょっとやそっとでは忘れません。

人間が言葉をしゃべり、言葉を忘れないのは潜在意識に言葉が入ってるからです。

ただ、脳から引っぱり出す(アウトプット)することに慣れてないだけです。

なので、模写した題材は定期的にその姿をおぼろげでもいいので思い出し、下手でもいいのでイメージで描いてみてください。

たぶん上手くは描けないと思います。

しかし、「描けない」ということを体験することで、なぜ描けないか? どこが描けないか? どういう描き方が描きやすいか? を次の模写では考えながら描くこともできるようになります。

描けないことを恐れずに、実際にイメージで描いてみてください。

 

インプット(模写)とアウトプット(イメージで描く)

これが絵の上達の一番の近道だと、私は今までの体験でそう学びました。

 

まとめ

 

まぁ・・・こんなもんですかね?

私が思う絵の上達の道は。

 

前々回、前回、今回の記事に書いた絵の上達の流れをちょっとまとめます。

 

 

まず模写。

それもできるだけ鮮明に、正確に似せて描く努力をする。

 

描いてるものの「線」にだけとらわれず、立体的な「面」としても意識を向けて描く。

 

模写する際、描くスピードはいらない。

描き続けたものの姿、形が記憶されるとスピードは自然に上がるから。

ただ、アニメーターや漫画家などを目指すなら、スピード重視にもなってくるので、画力が上達した後なら描くスピードにも意識を向ける必要も出てくる。

 

模写したものは、その姿をおぼろげでもいいので思い出す。

そして実際にイメージで描いてみる。

ただ、最初は模写することだけに集中してください。

模写すら満足にできないものは、イメージで描こうとしてもろくに描けはしませんから。

なのである程度模写が上手く描けるようになったものから、イメージで描く努力もしはじめてください。

 

この3記事にまとめたものが、絵が上達する上で最も大切なことだと思いますよ。

私はね。(他の人はどう思うか知らん)

 

 

他にもいくつか小技みたいなものはあるんですが、そっちの方は本当に上達のために必要なものなのかの確証がまだ得られてないので今はパスします。

それと、こんな偉そうな記事を書きましたが、私自身まだまだ絵が未熟ですし、勉強中でもありますので、今回言ったことを訂正するような発見があるかもしれません。

その際は訂正なり、別の記事で補足なりしてみようと思います。

何か異論とか反論とかある方もいらっしゃるかもしれませんが・・・

 

・・・・

 

・・・あー何も聞こえなーい。

 

ただ、必ずしも模写をしっかり、きっかりしないといけないかというと、そこに疑問を感じる方も数多くいらっしゃるかと思います。

絵に正解というものはないですからね。

それについて・・・次回で私の思うところをお話ししてみようと思います。

 

あなたの目標次第では、必ずしも模写というものは必要ないかもしれない。

 

興味がある方は次の記事も読んでみてください。

今回の記事を読んで、少しはあなたの役に立てたのなら嬉しいですね。

それにしても、何かを説明する記事ってのを作るのは疲れますな。

お疲れさまでした。

 

 

 




 


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